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2022 / 03 / 29 16:43
シンプル木製額縁 経年変化について
先日、オープン時より使っていた額縁サンプルを新しいものに替えました。
そこで、額縁に使っている木材の経年変化について書いてみようと思います。
良い無垢の木材は革製品と同じように、
年月の経過に伴って美しさを増す、経年美の魅力を持っています。
変化の仕方は樹種によっても環境によっても異なるのですが、
概ね風合いが増し、色は深くなり、少しずつ美しい変化を遂げていきます。
右側のサンプルは製作から1年半程が経過しております。
単体で見ると案外気が付きづらいものですが、比べると差があります。
木材に含まれるポリフェノール・アミノ酸・ステロイド・リグニンといった成分が、光を吸収して分解していくと色合いが変化していきます。
また木材に含まれる油分が表面に出てきて艶感が増してくる樹種もあります。
こういった雰囲気の良い変化は、近年出回っている突板仕上げの額縁では味わえないものです。
例えば1枚目のメイプル材は色味が深くなり、落ち着いた風合いになっています。
2枚目のタモ材や3枚目のオーク材はやや褐色に変化していっております。
サンプルが新しいので今回は入れ替えておりませんが、
アルダー材やウォールナット材はこれらの材とは対照的に、
色味が徐々に明るくなっていく変化をしていきます。
無垢材の額縁は、こういった美しい経年変化が得られます。
作品は勿論、額縁も含めて、愛着を持って長い期間飾って楽しんでいただけたら、我々も大変嬉しいです。